omoや545 ~企業が移転先で地域と人々の「ヨリドコロ」になっていく~
2018年、株式会社FLCdesignは岡山市北区御津新庄に、東京都品川区から本社ごと移転してきました。
最初は建物探しから。関東、近畿、四国、中国地方をめぐり、二棟建ての古民家を探していました。
そうして巡り合ったのが江戸時代にはすでにこの地にあった、築150年以上の庄屋屋敷の母屋(おもや)。移住してきたときには事務所として使用する予定でしたが、地域の方から少子高齢化や過疎化の課題を聞き、気持ちが動いていきます。
自分たちに何かできることはないか。
この母屋を開放する形でいろんな方の受け入れの場所になれたら。
こうしてomoや545ができました。
omoや545では特産品のお米を使ったアレルゲンフリーのスイーツ、地元の新鮮な野菜を使ったランチプレートなどが楽しめます。
カフェのほかにはイベントや宿泊など、あらゆる世代の方が利用できる施設です。
地域と共に形ができていき、まだまだ新しい試みを企画しているomoや545を紹介します。
掲載日:2025年11月12日
ライター:梅緒
お米を使った特産品開発
なにか特産品を作れば、いろんな方の手に取っていただき人を呼べるかもしれない。
岡山市北区御津「五城地区」はお米がおいしい地域で、江戸時代には岡山の城下で米俵がほかよりも、一段高い値段で取引されていました。
お米を使った特産品を考えアレルゲンフリーというワードに着目。当時グルテンフリーはかなり市民権を得ており、さらにオリジナリティ―を考慮したうえでアレルゲン8品目に注目したアレルゲンフリーの商品開発に着手しました。
健康に気遣うスイーツは色がないイメージがありますがomoや545のスイーツは彩も鮮やか。
市販のホワイトチョコレートには乳製品が含まれていますので、omoや545ではカカオバターからホワイトチョコレートを作ります。
米粉ドーナツのチョコアイシングは、抹茶やフルーツパウダーをまぜています。
いただいてみましたが、モチモチとした食感で、とても美味しいチョコドーナツです。
乳製品を使用しないホワイトチョコレートなど世にないものは作るしかない。これもこだわりの一つです。
五城地区で育ったお米とお野菜をふんだんに使ったランチプレート
料理研究家・国際中医薬膳師の資格を持つomoや545のディレクター仲田早苗さんが、中心となって作っています。
キッズメニューには、初期、中期、後期と赤ちゃんの成長に合わせた離乳食があります。
赤ちゃんの食事に心配することなく、一緒に来れるのがうれしいですね。
ランチプレートは週替わり薬膳ランチプレート、お肉とご飯をしっかり食べたい方向けには唐揚げランチプレートなど、五城地区で育ったお米とお野菜をふんだんに盛り込んでいます。
これらのランチメニューは予約優先となっています。ぜひご予約を。
五城地区は有機野菜を作っている農家さんが多い地域です。
omoや545で使用している有機野菜の「おかやま有機無農薬農産物」はランクが高い究極のプレミアムブランドとして岡山県が認証しています。
「いろいろと難しい規定がある、おかやま有機無農薬農産物の認証をもつ生産者さんがいらっしゃって、その時畑にあるものを持ってきてもらえるありがたい環境ですね。こういった、つながりもここで暮らしているからこそ」と仲田さん。
春と秋のイベント
omoや545から見える丘の上も解放して年に2回、イベントが開催されます。
2025年春にはピクニックデイ。お庭も使って思い思いの場所でお弁当を食べてもらい、子どもたちには子ども向けのブースを設けて遊んでもらいました。
ワンちゃんと一緒に来られた方にはお庭のお席をご案内するなど、楽しく過ごしてもらえるよう気を配ります。
秋は11月にomoや545のオープン記念日があるので、そのアニバーサリーと一緒に何か楽しんでもらえるものを企画します。
里山の自然を満喫できる一日になることでしょう。
イベントの日程はInstagram等でご確認ください。
実家に帰るようななつかしさ~宿泊施設~
omoや454には宿泊施設があり、2階フロアに客室2部屋、リビングルーム、バスルーム、ロフトを設備しています。
カフェ閉店後は1階のカフェスペース、ガーデンで自由に過ごせます。
朝夕のお食事は地元農家さんから直送される旬の新鮮野菜、地元五城米でおもてなし。里山の自然を感じて心も身体もリフレッシュしてください。
田舎に小旅行、たどり着くまでのワクワクを楽しんで
御津五城地区へ車を走らせ道路から見たomoや545の周辺は、きれいに手入れをされた里山の景色でした。
omoや545の前の道を西に250mほどいくと駐車場があります。250mって相当歩くと思いきや4、5分くらいです。
周りの景色を眺めながら歩いているとすぐに着きます。
稲刈りの終わった田んぼ、色づき始めた山々。家からomoや545へ着くまでの景色も、田舎に小旅行に出かけるように楽しんで欲しい。
どなたでも一緒に来れる環境を
里山の雰囲気が好き、古民家カフェが好きで来られたお客様が、アレルゲンフリーのお菓子やランチを知ってさらに喜ばれる。
ご家族にアレルギーがある方がいらっしゃっても、外食やお泊りができる環境がある。
赤ちゃんの離乳食メニューがあるので赤ちゃん連れでも安心して食事に来れる。
「アレルギーではないけれど健康や美容のためにグルテンを控えている方や、お肉を食べないことで地球環境を守るという考えの方もいます。インバウンドのお客様は宗教的な背景もあり食事の制限をされている方もいます。そういったことを網羅して機能性をプラスした新ブランドの立ち上げを予定しています。どなたでも一緒に来ていただける環境をご用意していきたい」と仲田さん。
庄屋は村の代表としてさまざまな業務をこなし、宿場が遠い場所では旅人を泊めてもてなす役目もありました。omoや545は旅(日頃の生活)の疲れを癒し、旅を続ける元気がもらえる現代版庄屋として地域や人々の「ヨリドコロ」のような存在だと感じました。
里山の風景と人の温かさ。omoや545でのおもてなしを体験してみてはいかがでしょう。
