伝統を感じる風情ある看板
「食事処おかべ」は岡山市北区表町にあるシンフォニホールの近くにあります。(詳しくは地図をご覧ください)
外観の壁には「とうふ売」の絵と共に「豆腐の話」が書かれていて思わず見入ってしまいます。豆腐は約2000年前、漢の時代の中国に生まれ、日本には奈良時代にやってきたそうです。
地元客にも海外の観光客にも人気
木のあたたかみを感じる昔懐かしい店内。江戸時代から油問屋として開業し、昭和58年に豆腐のアンテナショップとして「豆腐処おかべ」が始まりました。翌月には揚げたて、作りたてのにがり豆腐のランチを食べることができる豆腐料理専門店「食事処おかべ」が開店し、現在も地域の人々に愛される人気店となっています。
看板メニューの「おかべ定食」、食数限定の「生ゆば丼定食」、「揚げ出し定食」の3つのメニューから選ぶことができます。地域のサラリーマンたちのランチの場として欠かせないお店でありながら、「ミシュランガイド」や「ロンリープラネット」に掲載されていることもあり外国からのお客様も多いのだとか。メニューも「英語」「韓国語」「中国語」と3種類用意されています。以前は大豆を食べるのはアジアのみとされていましたが最近ではアメリカなどで植物性のものが見直され、大豆製品へ注目が集まっているそうです。
2種類の厚揚げが食べられる「おかべ定食」
今回いただいたのは、看板メニューの「おかべ定食」(990円税込)。厚揚げに、冷奴、白和えとまさに豆腐づくしのセットです。
厚揚げは四角い方が絹、三角は木綿。なんと両方の味を楽しむ事ができるのです。衣をつけない素揚げの厚揚げは、外はサクサクで中はふわふわ。角っこは熱が集中するせいかよりカリっと香ばしいおいしさにびっくり。
醤油は、特製のだし醤油、醤油、に加えて岡山の老舗醤油メーカー「キミセ醤油」とのコラボ商品「五穀しょうゆ」の3種類。「五穀しょうゆ」は少し甘口で、どれにかけても美味しいです。
イソフラボンたっぷりのお豆腐
冷奴も美味しくいただきました。手作りのにがり豆腐は大量生産のものに比べると切った断面が波打っているようにみえます。少しつぶつぶもあり不均一であることが、良い食感を生み出し甘みが出るそうです。イソフラボンたっぷりの大豆からできた豆腐は、低糖質、低タンパク質で女性ホルモンを補ってくれます。
こちらは小鉢の「白和え」とても濃厚な食感に感動!ゴマがたっぷりと練り込んであるそう。まさに、豆腐づくしのランチでした。
食べた後は「豆腐処おかべ」でお買い物
夜の10時から翌朝6時まで職人さんたちが毎日丁寧に手作りで作られている数々の商品が店頭に並んでいます。熟練の職人さんたちはその日の天候や豆乳の状態により、にがりの攪拌(かくはん)のスピードや量の調整をします。また、大量生産の豆腐はでき上がったものを殺菌のために一度茹でるのですが、そうするとタンパク質が壊れてしまい旨みが逃げてしまうので、「おかべ」ではそれを行なわず旨みがギュッと詰まった豆腐を作っています。
先ほどランチでいただいた絹厚揚げも、もちろんラインナップの中に。家に持ち帰ってこの感動を再び味わうことができるのです。
こちらは岡山のソウルフードと呼ばれる「ピーナツどうふ」。ピーナツ本来の風味を大切に、みやま葛などで固めたお豆腐です。まったりとした味わいが特徴です。
「おかべ」の名前の由来は昔宮中で豆腐のことを「おかべ」と呼んでいたところから名付けられました。手作りの豆腐は、日によって違うことがありますが「おかべ」の豆腐は熟練の職人技で安定した美味しさを提供することができているそうです。昔ながらの手作り豆腐の良さ、風味、食感をぜひ堪能してみてください。