玉井宮東照宮
玉井宮東照宮は1881年に玉井宮と東照宮が一つになり、玉井宮東照宮として誕生しました。
主に安産のご利益があるとして崇敬を集めています。また、もとの玉井宮は岡山での海路で非常に重要な場所に鎮座していたことから海運、交通安全の神様でもあるそうです。加えて、東照宮は徳川家康を祀る神社として全国各地に150社以上建立されていると言われています。玉井宮東照宮もそのひとつとして、格式や歴史的価値は非常に高いものと考えられています。
玉井宮東照宮の特徴
境内には、樹齢数百年に及ぶ巨木や大きな灯篭等が立ち並び、神聖な雰囲気を醸し出しています。玉井宮東照宮の拝殿には、龍神様が。水や船、海運に関するご利益がある神社では龍神を祀っている場合が多く、東山の小高い場所に鎮座する神社で龍神様に出会うことができるという珍しい体験もできます。
県指定の重要文化財にも指定されている本殿は、残念ながら改修中。日光東照宮を彷彿とさせる姿だったという本殿が再建されるのが楽しみです。
玉井宮東照宮では、多くの祭事や行事が行われ、地域の人々にとっても重要な文化的イベントの場となっています。その格式や歴史的価値を伝えながらも、今なお多くの人々に愛され続けています。
常住寺
天台宗金剛山常住寺円務院(てんだいしゅう こんごうざん じょうじゅうじ えんむいん)は、東山を登っていく細い路地の中に位置しています。もともとは吉備中央町辺りに寺地だけ残っていた玉泉寺というお寺を再興し、岡山藩主池田家の祈祷所としたものだそうで、約100年前現在の地に移ったそうです。
小高い場所に建つ常住寺からは、豊かな自然に囲まれた美しい東山の風景と、賑わう岡山市の中心部を同時に見下ろすことができます。境内は静謐な雰囲気に包まれていますが、穏やかで心の安ぐ場所の様に感じました。
常住寺の特徴
常住寺では現在、様々なプログラムに取り込み中。その一つとして『三千佛堂』を建立し、毎月6日の12〜17時に拝観が可能です。
この他にも寺には藩主縁の書画や仏像などが安置され、それらは美術品としても高く評価されています。岡山県立博物館にて『常住寺の寺宝展』が開催されるほど。加えて、毎月6日14時から地元の方と共に境内の護摩堂にて護摩供養を行っています。多くの人々が心身の健康や精神の安定を求めて訪れるそう。常住寺は、岡山の文化を守る存在として地域全体で大切にされています。
松琴寺
臨済宗青龍山松琴寺(りんざいしゅうさいりゅうざんしょうきんじ)は、1345〜1349年に建立されたとされており、約670年以上の歴史を有する仏教寺院です。建立当時は曹洞宗に属していましたが、1727年の臨済宗に改宗したという歴史があります。
寺院の境内には、豊かな自然に囲まれた美しい庭園が広がり、訪れる人々を魅了します。特に、紅葉や桜の季節には多くの参拝客が訪れ、その美しさに心を奪われました。また、ところどころ苔むした地面は、まるで緑の絨毯のようで、松琴寺が経てきた長い年月を感じられます。松琴寺は地域との結びつきが深く、インスタレーション作品の展示や地域の行事、文化活動も積極的に開催。地元の人々にとって、松琴寺は「お寺」というだけでなく、コミュニティの中心地としての役割も果たしているようです。
松琴寺の特徴
松琴寺は仏教の教えや実践の場でもあります。湯葉、麩、旬の野菜を中心に五法五味五色を基本とした精進料理を提供。一品一品手間をかけた料理からは「禅の心」が伝わります。加えて、東山の静かな環境につつまれた庭園の前で座禅会や茶会を開催しています。座禅会は毎週火曜日19~20時に定期開催されているので是非ともご参加ください。※電話にて要予約
松琴寺の美しい庭と美味しい精進料理、座禅による「整う」体験が、世界中の方の心をつかんで離しません。
身近な場所で、気軽に「整う」
どの神社仏閣にも長い歴史とそれぞれの特徴があり、個性は様々。しかし、一貫していたのは境内に満ちる「自然と手を合わせたくなる空気」でした。春は年度の境目、新生活のスタートの時期ということもあり、忙しい日々が続きがち。是非とも神社仏閣巡りで「整う体験」をしてみてはいかがでしょうか。