万富特集（後編）～吉井川が育む醸造の町～

笹埜商店の創業は明治28年です。「よりよい味噌を　より良い糀を」をコンセプトに 味噌・糀・甘酒の製造販売をしています。お味噌の仕込みは一年中おこない、使われている米、大豆は岡山県産がほとんどです。甘酒は昔ながらの米糀と炊き立てのご飯のみで糀の力を最大限に生かして甘くなります。味噌は、中味噌、米麹味噌、田舎みそ、てんぺ味噌、赤味噌などたくさんの種類があります。

すべては糀づくりからといわれるように、三日間かけて糀をつくります。米を蒸して冷まして麹菌を付け24時間寝かせて麴菌の繁殖を待ち、まんべんなく麹菌が育つように上と下を掘り返します。むろの温度管理をしながら麹菌の成長を促します。丁寧につくられた糀がもとになり、お米を炊いて甘酒に、豆を煮て味噌に仕込んでいきます。無添加、手作りを基本として日々誠実に作り続けている、やまか味噌 笹埜商店の甘酒とお味噌をおみやげにいかがですか。

【住所】〒709-0872 岡山県岡山市東区瀬戸町宗堂482
【電話番号】086-953-0292
宗堂桜の近くです

明治12年創業。木桶で醤油を2年寝かせる手のかかる製法で醤油を作り続けています。一時は近代化の流れに乗って機械化が進み木桶での醤油作りをやめていました。山近延行（やまちかのぶゆき）さんが家業を継いだ20年ほど前に、道具も揃っているしと、昔ながらの木桶での醤油造りを復活させました。麹は麹蓋を使い、せかさず菌自身の力を最大限に引き出し、昼夜問わず見守りながら4日間かけて育てます。麹蓋は麹をつくる道具の一つです。お盆のような形をした麹蓋の上で麹を育てる大変手間のかかる作業です。木桶で熟成させ季節によって、もろみの状態をみて櫂入れをしています。
愛情をこめて誕生した醤油には創業者山近鐵次郎（やまちかてつじろう）さんの名前がつけられました。

昔ながらの手間暇をかけた醤油「鐵次郎」は岡山市内の有名飲食店で使われ、山近醤油を使った料理の美味しさに心を打たれた人々が、InstagramなどのSNSで情報を発信しました。実際に店舗に醤油を求めてくるお客さんは若い方も多いです。
鐵次郎アイスクリームは、世羅高原ジェラート工房donnaのバニラアイスに鐵次郎の風味が加わりコクと旨みが口に広がります。キャラメルのような風味で醬油もちゃんと感じられます。濃厚で繊細な鐵次郎アイスクリームもぜひ味わってみて下さい。


【住所】〒709-0846 岡山県岡山市東区瀬戸町大井200
【電話番号】086-953-0625
万富駅から車で3分、徒歩9分

笹埜醤油醸造元は明治3年創業です。
「この大豆で醤油を作ってほしい」「沖縄の塩を使った醤油を作ってほしい」などセミオーダーの醤油を請負うこともあります。岡山県立瀬戸南高校の生徒は授業の一環として、笹埜醤油醸造元で醤油造りをおこないました。1年生で仕込んだ醤油が3年生になるころ完成し、完成した醤油を販売するプロジェクトに協力しました。

店内には創業当時の看板やポスター、陶器のお醤油入れなどが飾られていて、こちらも興味深いです。昔の陶器のお醤油入れが飾られていることに気付いた、スペイン人の芸術家がいました。彼に懇願され、年代物のお醤油入れと彼の作品を交換した逸話もあります。

隣接する笹埜造酢有限会社は親戚で、赤磐米の純米酢や岡山の桃やぶどうを使った果実酢を製造販売しています。
お酢の商品も笹埜醤油醸造所で購入できます。「お嫁に行った娘に笹埜醤油を送ってほしいと頼まれた」「ここのお酢で作るお寿司がいちばん美味しい」とファンも多い醤油屋さんです。

【住所】〒709-0872 岡山県岡山市東区瀬戸町宗堂459-4
【電話番号】086-953-0616
宗堂桜の近くです